2012年2月11日(土)
立春は過ぎたのに、今年の余寒は厳しくまだまだ春色の衣服も着る気分になれません。しかし、さすが「民家の会例会」!お天気に恵まれました。このところ続いていた雨は上がり暖かくなりました。よかった!
集まった会員さんは30名以上。これから入会をとご予定いただいている方の参加もあり、にぎやかな充実した例会になりました。
毎年総会でお世話になるSさまのご案内をいただき、普段は立派な門構えと瓦屋根を見るだけだった、焼津市浜当目の旧家H邸の邸内まで拝見できる機会を得て嬉しい限りです。また、現在はご当主がお住まいでないH邸の管理をなさっているKさまにも大変お世話になりました。Sさま、Kさま、そしてHさまに心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
家は伝統的な田の字造りで、代々住まわれた方々の暮らしの歴史もあらわしています。見事な梁を見上げる玄関は、建築当初は土間だったものと思われますが、框をつけ洋風の応接間にしつらえられていました。梁はもちろん、框の木も床板も地元の木を使ったものと思われ、どっしりしています。座敷は二間続きで、間の欄間の細工も見事でした。柱、釘隠しに至るまで一流の技のものでした。
また敷地内のお庭、文書蔵やみかん庫などもご案内いただき外観も拝見しました。H邸は古くは塩庄屋を務めたお宅で、静岡大学のH教授などにより古文書の研究もされていると聞いています。
現在はお住まいになってはいなくても、管理が行き届いており痛みなどは見られませんでしたが、さらにこの建物を次の時代にもつないでいってほしいと思いました。
H邸にお礼を申し上げて、次の目的地、花沢の里に向かいました。奈良時代から平安時代に栄えた「やきつべの道」…細い川沿いの道に長屋門造りの民家が並ぶ静かな里でした。三々五々、軒先の無人販売のみかんや椎茸を買ったり、民家をカフェにしているところでパンやケーキを求めたりしながら、登っていきました。万葉集の歌碑を見、水車小屋の風情なども楽しみました。
平安時代のものと伝えられる観音像にお参りして、桜の時期に来てもいいねと木々を見上げている会員さんたち…みなさんゆっくり春の訪れを待つ…そんな午後の時間になったのではないでしょうか。
ky。