2011年 2月例会報告 2011年2月13日(日)
今年最初の例会「例会初め」は、静岡の安倍川餅の老舗「やまだいち」さんのご好意で活動拠点として借用している「登呂陣屋」にて、開きました。
テーマは「
日本の道具を見直してみたい」
日本人の日々の暮らしの中で便利に使われ続け、しかし気付けばこの頃あまり見かけなくなった道具があります。例えば、年末の大掃除ではどんな道具が活躍しましたか。煤払いをして、お飾りを飾るという新年を迎えるためのしきたりは廃れてはいませんが、掃除機と電動モップでお掃除なさったかもしれません。昭和までは、箒(ほうき)と、ちりとり、叩き(はたき)。そして、バケツに雑巾がお掃除の道具でした。また、大掃除を済ませ、荒神さまを新しくした台所でおせち料理を作る、その時も黒豆などはことことと七輪(しちりん)の上で煮たものでした。
世の中は便利になるばかりですが、民家の会としては暮らしの記憶も残していきたい―
そんな思いでこの例会を企画しました。
寒い時期で、しかも三連休の最終日という悪条件の中、参加してくださった会員さん、ありがとうございました。
まず、七輪に火を熾しましょう!
…実にこれが難しかったです。登呂陣屋の前庭の粗朶を拾って種火を熾すという計画でしたが、落ち葉はあれど昨日までの雨で湿っています。
消し炭を一つ持ってくればよかった~と、囲炉裏のあるスタッフ・Sが言っても後の祭り。新聞紙をちぎって、炭も細かく砕いて、山育ちの(?)Mさんが、火吹き竹を作り七輪の下の窓から吹くやら、お鍋の蓋で扇ぐやら(渋団扇を忘れたので。。。)大奮闘してくださっています。B型のスタッフ・Mは、お汁粉のお店を探しに行こうかと言い出します。煮上げたお汁粉に炭火で焼いたお餅!というのが午後のお楽しみですから、ここで火が熾きないのでは泣いてしまいます。みんな真剣な顔、火吹き竹を吹くMさんの口がすぼめ過ぎで痛くなった頃、やっと火が安定しました。お疲れさまでした~。みな口々に「あ!30分かかりました~」「よかった!よかった!」「これで、いざという時にガスや電気が止まっても大丈夫!」…ほんとかな~○△∵?…やっと小豆とお水の入った大鍋を七輪の上に乗せました。順調に午後までに煮上がるのでしょうか。。。。。。こっそりガスボンベのコンロを用意していたスタッフFは、AB型です。
煤払い(ハタキ)作り
直径1センチくらいの竹をスタッフのNがたくさん用意しました。用途と自分の体力も考え(大袈裟?)竹を慎重に選びます。キリで穴を開けます。室内では、古い銘仙の着物をほぐしています。針目を見ながら昔の人は運針が上手だったんですね~と言ったり、こんな不思議な色合わせが日本の伝統だったんだぁと思いながら…。形あるものを壊して使うのはちょっと忍びなかったのですが、もう生地のしょう(精)も抜けて着用は出来ない着物だからと自分の気持ちを納得させ、みんなでハタキにして大事に使いますからね~と、糸を解いていきました。そして、布に戻った着物を各自好きな取り合わせで選び、割いていきます。竹に糸で取り付けます。(詳しい作り方は例会参加者の方の特典なので明かしません。あしからず…)出来上がったハタキ、みな色も大きさもとりどりで素晴らしい!!
そして、どうやって使うの?についても、某作家の随筆作品をスタッフKが朗読し、古き佳き日本の家事に思いを馳せた後、実際に陣屋の障子にハタキをかけました。ほうきで畳を掃き、上がり框には蜜蝋(みつろう)を塗って雑巾掛けをして、日頃お世話になる陣屋にお礼のお掃除をしました。
もちの家で昼食にたぬき蕎麦をいただいてお腹いっぱいだった筈ですが、お汁粉は別腹!?美味しかったですよ~。苦労して熾した炭火で作った味わいもあるような気もしました。
食後は、今企画を進めている「民家大賞」についての話し合い。どんな形で、私たちの気持ちを伝えていくのか…一番良いやり方を探していきたいと思っています。
まず始めは、民家の会会員さんが身近で推薦したい民家について、情報を出し合っていこうということになりました。みなさん、どうぞよろしくお願いいたします。
詳しくは、次のお知らせで。。。みんなで盛り上げていきたいですね。
寒い日が続く中でのほのぼのとした一日…そんな2月の例会でした。
(Ky。)
追伸(?) Aさんのお孫さ~ん、そして、Tちゃ~ん、もうハタキは見つけましたか~?良い遊び道具作ってもらってよかったですね~。ハタキっていろんなことができますものね~(笑)。Kも懐かしいで~す。