静岡民家の会



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2012年5月例会報告

川根倉平を訪ねる       2012年5月13日(日)
 倉平は、標高600メートルくらいの集落です。家山からの道はところどころ細い所もあり、土砂崩れがそのままになっている箇所もありましたが、そんなに道路事情が悪いところでもなく、なにより景色がとても良い。山は「笑ふ」季節で、広葉樹も混じった林の新芽の色とりどりの様が美しく、山頂辺りまで広がる茶畑のみどりは目に鮮やかでした。
 まず、集落の高台にあるドクターヘリのへりポートに車を進めました。ここは風光の名所「朝日の段」。南をのぞめば、川根の方向、また北にはアルプスの山々が一望でき、晴々とした気持ちになりました。
 こんなところに住むのもいい…と思いましたが、それは今の季節に訪問した者の甘い感想にすぎないかもしれません。生計を、森林業やお茶、椎茸栽培などに頼れない現在、離村する家族が相次ぐのもやむを得ないでしょう。
 まず案内してもらった家は、住まなくなって10年くらいになるといいます。母屋前の梅の古木が見事。眼下には、茶畑の向こうに川根の街が遠望できます。しかし、残念ながら、室内にはどこから入り込んだのか、小動物の侵入した痕跡があり、土台の木も腐りかけていました。茶畑は傾斜のきつい山肌を勤勉に耕して作ってあります。まだまだ使える茶畑ですが、例えば都会の画家が来たくて、少し農業もやりながら…という話しもあったそうですが、畑に転換するのは経費もかかるし、斜面で大変でしょう。家の補修にもお金がかかることで断念したそうです。
 2軒目は空き家になって3年ほど。前庭には若葉がきれいな柿の木やドウダンツツジ…。玄関をがらっと開けたらこんにちはとお宅のひとが姿を見せそうな感じがします。この家を持っている人は売却を望んでいるそうです。庭の片隅の都忘れの紫の花…少し感傷的になりました。
 3軒目は引っ越したばかりという家。自家林の木々で建てたという家はがっしりしています。
 山の仕事、古くは養蚕もやったり、お茶や椎茸を栽培するなどが一家の仕事でしたが、時代の流れで現金収入はどんどん落ち込み、子世代は下の町に勤めに行くようになりました。車で通える距離ではありますが、雪の降る時などの山道通勤は大変で、親世代が亡くなると町に転居していく…そんな家が多いのだといいます。
 この集落を残したい、山の仕事を残したい、山が荒れれば、皆が離村していった先の「南」(山の下の地区のこと)にだって危険なんだという気持ちはとても切実です。どうしたら良いのか…まずこういう現状があることを知り、この地のことをたくさんの人々に関心を持ってもらうことが大事ですね。民家の会としては、まずそんな役割が出来たらと思います。
             ky。
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by sizu-min | 2012-05-19 12:48 | ・例会報告


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