静岡民家の会



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3月例会報告


三島の建物ウォッチングと佐野美術館探訪

平成21年3月21日(土)
先月に引き続いて、東海道53次の宿場町だったという歴史ある町のまち歩きです。
今月は、東海道・箱根の関所と急坂を控え、また伊豆下田への街道の起点でもあった交差点の地、三島宿。源頼朝の信奉が篤かった三嶋大社も有名です。
10時20分三島駅南口集合。前日の不安定なお天気から一転して、くっきりと富士山の見える晴天です。スタッフは、ほっとしました。何故って、今日は「せせらぎの町・三島」のまち歩きだからと、市中を流れる川の中の道も歩こうと計画しているからです。このお天気ならきっと気持ちよく歩けますよ~。
まずは、駅前の楽寿園の中へ。楽寿館という建物を目指します。楽寿園は、小松宮彰仁親王の別邸でしたが、昭和27年から三島の市立公園となっています。約1万4千年前の富士山の噴火の際に流れ出たと言われる溶岩の上に育った木々と、富士山の雪解け水の伏流水の湧く小浜池が有名でしたが、近年はすっかり渇水して、池の底だった赤黒いごつごつした溶岩がその姿をさらしています。その小浜池のほとりに建つ数奇屋造りの建物が楽寿館です。子どもの頃、遊びに来たことがありますが、満々と水を湛える池の向こうに大きな家があるなぁと思ったことを覚えています。案内の人は、親王が明治維新で活躍したことから、各部屋にある見事な絵画のことまで、丁寧にお話をしてくれて、じっくりと楽しむことができました。ありがとうございました。どの部屋も見事な日本間でしたが、増築されビリヤード室だったという唯一の洋間の、太平洋戦争敗戦後、米軍に接収されてペンキを塗られたという壁が哀しかったです。
さて、楽寿館を出て、三嶋大社に向かいます。川沿いの歩道は当地ゆかりの文学碑が立ち並び、きれいな花壇が整えられています。大社は時間の関係でお詣りもそこそこに境内を抜け、下田街道へ。この界隈は、大正中期から昭和初期にかけて問屋街として栄え、戦災に遭わずに、古い姿の店も残っているのです。特徴的なのは、看板建築。木造の建物の道に面した前の部分だけを板金や、モルタルで装飾しています。登録有形文化財のムラカミは、青銅葺きの建物のようです。その先の漆器店も青銅葺き様。渦巻きやロココ調の意匠の彫刻がされているかに見えるモルタルのものが大きく掲げられた店もあります。すべて土台は木造です。うなぎの寝床のように間口が狭くそれに比べて奥行きがある店が多いのもこの街の特徴です。みんなでワイガヤ…上を眺めながら歩いていきました。昼食は登録有形文化財の丸平商店の蔵の中のテーブルでイタダキマシタ。良い雰囲気でした!
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食後もまず商店街をワイガヤ…上を眺めながら歩き、源兵衛川のほとりにある、県内には島田とここと、僅か2つしか現存しない「東海道の時の鐘」三石神社の鐘楼を見ました。東海道膝栗毛の頃は時を告げる大事な役目だったこの鐘も、今では除夜の鐘としてしか、その音色が聞けないそうです。
さあ、それから、横を流れる川に降りていって透き通った水の流れの中にある木道を通って、佐野美術館の方まで歩いていったんですよ。素敵でしょ。未だ、天然記念物の三島梅花藻の白い花には時期が早かったですが、せせらぎウォークを楽しみました。
佐野美術館では、民家の会の会員でもある渡邊館長が待っていてくださいました。佐野美術館を創立した佐野隆一氏(1889~1977)が、ご両親の為に作られた木造の建物と、ここも富士山の湧水を取り入れた池のある回遊式庭園が隆泉苑と名付けられています。大きな木造り土壁の門とともに、国の登録有形文化財となっています。
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昭和初期建造の建物は、一流の技術で建てられています。まず見せていただいたのは、書院造りの客間。天井は高く、幅広い正目の板は一息に鉋(かんな)をかけて整えられた見事なものです。面取りの技の凝ったしつらえ、皆、唖然とするほどです。その部屋と対極にあるのは、数奇屋の贅を尽くした部屋。こちらは、すべての木が板目です。趣味性の強い部屋は、庭全面を見渡すことができる工夫がされ、春の晴れた午後の光に明るい気持ちになりました。何より維持管理の任にあたられている渡邊館長からのご説明を受け、この貴重な建物を愛する気持ちが自然と湧いてくるのでした。
美術館本館では、まず館所蔵の三春人形を学芸員さんの説明を聞きながらじっくりと味わうことができました。この素朴な人形は民家の会の佐野会長の愛してやまない人形です。骨董の市場にはもう殆ど出ない貴重なものだそうです。
それから「感じる鼓動」と名付けられた人形展を鑑賞し、東京国立近代美術館工芸館の所蔵する芸術的な人形に目を奪われました。佐野会長はじめ多くの男性を魅きつけたのは、吉田良の人形だったことをここに記録(暴露?)しておきます。
三島のまち歩きと題した3月の例会、お天気にも人にも恵まれて、春の息吹を満喫できた素敵な一日でした。 (kyo)
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by sizu-min | 2009-03-24 16:08 | ・例会報告


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