新居まち歩き
平成21年2月15日(日)
2009年最初の民家の会例会は、浜名湖の西側の地、浜名郡新居町を訪ねました。新居町役場の都市整備課の馬渕さんと新居関所周辺まちづくりの会の方が出迎えてくれました。新居宿は江戸時代東海道53次の江戸から31番目の宿場町として栄え、また交通の要衝として新居関所が設けられ、1854年に建てられた関所の建物は、日本に唯一つ現存しているものです。建物は小学校や村役場として使用されていた時期もありますが、現在は中に入って見学できるようになっています。リアルな人形が当時の雰囲気を伝えるなかで、名調子のご案内を聴くことができました。新居関所は「入り鉄砲出女」だけでなく「入り女」にも厳しかったそうです。
街道筋は、木の格子が美しい新しい建物が色も揃えて並んでいます。建替える際にもこの道沿いの雰囲気を壊さないように補助金を付けている成果が現れ、落ち着いた町並みになっています。町の指定文化財、紀州藩の御用宿だった旅籠紀伊国屋は、現在資料館として公開されています。ちょうど、江戸時代のものもあるおひなさま展が開かれていました。奥庭には水琴窟もあり、参加者は順番に耳を澄ましました。
明治末期から大正初期にかけて、養蚕や製糸業が盛んで新居町の経済は潤いました。当時11軒あった芸者置屋のうち、ただ1軒、小松楼が、平成の時代にまで空き家として残っていました。ここを、町の人たちがボランティアで清掃、修理し、現在は公開され、町の人たちの集会にも利用されています。
2階へ登る幅広い階段、階段を取り巻くように配置された部屋、いざという時(?)用の隠し階段などもあります。ここで、案内してくれた新居町の方と一緒に、浜名湖ならではの鰻(ウナギ)の炊き込みご飯「ぼく飯」のお弁当をいただきました。ゴボウと一緒に炊かれたご飯は香ばしくて美味しかったです。食後は新居町が歴史あるたたずまいを大事にしていることについて、小グループに分かれ、新居関所周辺まちづくりの会の方を囲んで語り合い楽しい時間を過ごしました。午後は、丁度公開されていた(年に一度のご開帳!)寺々の涅槃図を見て、昭和初期の雰囲気を残す路地を散策し、名産の牡蠣の養殖の現場へ。あの複雑な牡蠣の殻を手馴れた技で剥いているお手並みを拝見しました。
丁度、舟にいらした太田さんに、牡蠣の養殖についてとても詳しく説明してもらい、なんと!!帰りには殻付き牡蠣をどっさりお土産にいただきました。みんな大喜び! 「プリ丸」とブランド名が付いた高級品で、蒸し牡蠣、焼き牡蠣にしたら、ほ~んとにプリプリで美味しかったです。太田さん、どうもありがとうございました。また、新居名物の和菓子「うず巻」もたくさんの会員さんが買って帰りましたが、黒糖のもちもちしたちょっと懐かしい味で美味しかったです。
食べ歩きの報告のようですね。。。まるで…
早春の一日、目もお腹も心も満たされて温かい思いで帰路につきました。新居町のみなさん、誠にありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています。