IE9ピン留め


平成23年9月例会報告
産業遺産を訪ねる旅             平成23年9月17日(土)

沖縄あたりを迷走している台風の影響で、静岡も朝、激しい雨が降りました。例会の予定は変更ないの?と問い合わせの電話が数本入りましたが…いいえ、行きましょう静岡民家の会例会は滅多に降られないんですよ、晴れ女も晴れ男も揃っていますから…
そして、やっぱり太陽が時折まぶしい程!!会員さんの日頃の行いが良いんですねっ、感謝です。








掛川から新所原を結ぶ天浜線は、元の国鉄二俣線。現在は第3セクターによる運営です。明治時代から鉄道は産業の発展のために欠かせない事業とされ、大正11年(1922年)掛川、二俣を結ぶ鉄道計画が立てられました。しかし、関東大震災の復興などもあり、国がこの工事に着手したのは、昭和8年でした。
 昭和10年(1935年)掛川から遠江森までの12,9㎞が開通。遠江桜木駅・原谷駅・遠江森駅ができます。翌、昭和11年に新所原ー三ヶ日(12,1㎞)開通。駅は知波田・尾奈・三ヶ日の3駅。引き続いて昭和13年に、三ヶ日ー金指(13,8㎞)が開通し 都筑・佐久米・西気賀・気賀・金指の5駅ができ、ついに昭和15年に遠江森ー金指(29,1㎞)が出来上がり、これで全線(67,9㎞)が開通したのです。もくもく蒸気を吐く真っ黒な機関車が優良な天竜杉を運んだことでしょう。
 時代が移って、鉄道の電化も進み、昭和28年には客車の車両がディーゼル車となりました。物資輸送の形も変わりトラック輸送が増え、貨物列車の長さは短くなっていったのです。昭和46年3月31日に「さよなら蒸気機関車号」として最終列車が運転されました。昭和60年3月、二俣線の貨物列車は廃止になりました。そして、その2年後の昭和62年3月14日、「二俣線さよなら列車」が運転され、国鉄二俣線の歴史は閉じました。その翌日、3月15日が「天竜浜名湖鉄道」の開業です。
 平成10年(1998年)12月、天竜二俣駅の構内施設が国登録有形文化財に指定されました。今に残る開業当時の姿をさらに後世につないでいこうというわけです。平成23年(2011年)1月、全線にわたり国登録有形文化財となりました。

「産業遺産を訪ねる旅」と題した9月例会、今日は全線乗り降り自由のフリー切符で、日本の近代化を支えた鉄道の姿を見ていこうと思います。さぁ、掛川駅から出発です。

桜木駅・原野谷駅・遠州森駅…二俣線開業時の最も古い駅舎。昭和10年築 木造平屋建、切妻造、厚型スレート葺。ベンチや木製建具、杢ガラスなども必見

車窓から駅舎を見ながら…40分ほどで天竜二俣駅に到着。
天竜二俣駅 
本屋…昭和15年築木造平屋建、切妻造、煉瓦葺。外壁は縦板張り 出札窓口が待合室に突き出す 船底天井


運転区事務室…一部二階建て。葺土の上に煉瓦葺。外壁は杉板縦張り


運転区休憩所・運転区浴場…事務室の裏手にあり、屋根だけの渡り廊下で結ぶ。
タイル張りの浴場の広さが当時の活況をもの語る。 ただし、本日は洗濯物干し場…


機関車転車台…鉄製直径18メートル 建設当時は手動で回転させていた
 

扇形車庫…木造 建設当時は6線だったが2線分縮小されている 
高架貯水槽…鉄筋コンクリート造6本の脚の上に70トンの貯水槽が載る 
揚水機室…木造 揚水ポンプと鉄筋コンクリート製の井戸も残っている 
プラットホーム及び上屋…木造平屋建、切妻造、波形鉄板葺。柱や梁に古レールを使い頑丈にしている。最も古いレールとして、明治44年(1911年)のアメリカ製。昭和4年八幡製鉄所のマーク入りのレールも見られる

遠江一宮駅の構内にあるお蕎麦やさんに行きます。掛川方面へ少し戻ります。のんびり…
遠江一宮駅…昭和15年築木造平屋建、正面右寄りに片流れの車寄せ。待合室に切符売場が突き出ている。当初のベンチが残っている

美味しいお蕎麦を味わって、近くを散策してお土産を買う会員さんたち。
再び乗車して西へ向かいます。

気賀駅…昭和13年築木造平屋建、寄棟造、赤色洋瓦葺。外壁はモルタル塗り、腰タイル張り 木製改札窓口が残っている 待合室に作り付け木製ベンチ ベニヤ市松張り天井

プラットホーム及び上屋…木造平屋建、切妻造、波形スレート葺。東端の2間は元乗降場待合室であった
 

近在のお年寄りがベンチに腰掛けていました。「そうかね、遠くからありがとう。この駅は古いだよ、ここを見て…」と話してくださいます。嬉しかったです。ありがとうございます。
気賀は、姫街道と言われた東海道本山道の宿場でした。駅から少し歩いて気賀関所を訪ねました。有名な「東海道を歩いた象」は、この関所を通り江戸へ向かったそうです。沿線の人々は従4位に遇された象を安全に見送ろうと細心の努力をし、無事1ヵ月で江戸に到着したそうです。初めて象を見た人たち、さぞやびっくりしたことだろうな。。。
気賀駅舎内にはラーメン屋さんがあります。あれ!さっきお蕎麦いただいたばかりですけど…美味しかった!?!

この後は各自の自由行動。駅舎内のお店巡りを楽しもうか、奥浜名湖を眺めに行こうか、終点まで乗って行こうか…




三ヶ日駅…昭和11年築木造平屋建、寄棟造、厚型スレート葺。正面右寄りに玄関が突き出ている独特な造り
木製の窓枠の西面の窓は3本レールで開閉する 待合室の西面一杯に当初の作り付け木製ベンチがあり、下校途中か、ジャージ姿の高校生が3人ソフトクリームを食べていました。 



新所原駅…JR東海道線新所原駅と隣接(水色のがJRの駅)駅舎内にあるのは鰻屋さん!良い香り! が、さすがにもうお腹の限界で断念。。。

このほか、乗っていると見えないのですが、原野谷川橋梁・太田川橋梁・二俣川橋梁・天竜川橋梁・都田川橋梁・気賀町高架橋なども70年を越える歴史をもの語っています。

群馬・栃木を通る元国鉄足尾線「わたらせ渓谷鐵道」も産業遺産として登録文化財37件と有名ですが、それに次ぎ36件の文化財を数える天浜線。産業の近代化を支えた施設のいろいろを見て、さらに、刈り入れを待つ田んぼや、秋色の川岸など沿線の風景も相まって、日本の原点に触れたような心の落ち着く旅ができました。

                                 Ky。

# by sizu-min | 2011-09-17 23:08 | ・例会報告

23年8月例会報告    平成23年8月7日(日)
昔ながらの涼を求めて
 民家の会では、昔ながらの家の良さ、暮らし方を学びながら、その知恵を現在の生活にも生かし、見失ってはいけないものを将来につなげていきたいと思っています。
 節電は当然のこの夏。エアコンの温度を気にして部屋にいるより戸外の涼を求めよう!日陰の涼しさ、水の冷たさ、涼風にも敏感になろう!ということで、8月例会は恒例になりつつありますが、沢の水が流れる場所でひらきました。あいにく、静高の甲子園の第一試合の日でありましたが、車でラジオの実況を聞きながら集合。甲子園の熱気も、子どもたちの参加が多いのも夏らしくて良いですね!  
 残念ながら静高は負けてしまいましたが、そんな中でも私たち(大人15人子ども10人)の大流しそうめんプロジェクト(!?)は着々と進みます。沢の向こう岸まで、竹取りに出かけます。蚊の大群におそわれた昨年の経験から今年はばっちり、虫除け対策を施してきました。持ち物には、虫除けとしか書いてなかった例会の始まりです。そうです。流しそうめんの樋だけでなく、器やお箸も竹で作るのですから、「いただきます」はまだ、当分先になりますね。。。
 6メートルの竹は半分に割って樋に。節ごとに短く切ったものは器に。さらに割ったものは箸に削って…だんだん熟練の域に達しつつありますね。火をおこして大鍋にお湯を沸かすのも、鉄板で焼き物をするのも熱くて大変!あ、この分では飲み物が足りなくなりそうです。
 初めて、そうめんが流れた時は感動です。なんでこんなに美味しいんだろう。みんなのそれぞれの労働に感謝です。
 お腹がほっとしたら、竹の風鈴作り。今日は風はそんなに吹きませんが、涼しげな音色が聞こえてくるような気がします。
沢の流れに冷やしておいたスイカも夏の色。子どもはちっちゃい子順にスイカ割りに挑戦です。最初は棒の振り方も覚束なかったみんな、二巡目にはたいしたもんです。割れたスイカの赤、黒い種。やっぱりスイカはテーブルの前で食べるもんじゃありませんね。スイカの皮投げも楽しいし!
 もちろん、お片付けタイムも全員がんばり来た時よりも美しく、涼しく、お腹は満たされて、子どもたちはびしょ濡れで(!?)。みんな良く働き、遊び、最高の夏の笑顔でお開きとなりました。
 暑さはきっとまだ続くでしょう。涼は暑いからこそ求めるということ、この例会の哲学的な発見でした。
                      ky。
# by sizu-min | 2011-08-07 22:56 | ・例会報告

平成23年7月例会案内ー台所史を学ぶ
 7月の例会は、民家の台所の歴史について学ぶ会を企画しました。
古今東西、大切な食はどのような場所でどんな形で産み出されてきたのか…民家の暮らしを考える時、欠かせない視点だと思います。以前に、スタッフの五味が担当したことがありますが、今回は、専門に研究されている須崎文代先生にお願いしました。きっと為になる勉強会になることと思います。
 会場は、会津の歴史ある民家を移築した、やまだいち「登呂陣屋」です。
「登呂博物館」駐車場のすぐ北側にあたります。登呂博物館は、昨年までに復元家屋などが新しくなっていますが、博物館も最近リニューアルオープンしたばかりですし、やはりすぐ近くの「芹沢銈介美術館」では、開館30周年記念展として、彼の全仕事という大変エキサイティングな展示会がひらかれています。民家の会例会のおついでにいらっしゃったらいかがでしょうか。
 暑い時期ですが、陣屋はどっしりとした建物で涼しく感じます。どうぞ奮ってご参加ください。


日     程 : 平成23年7月10日(日) 午後1時 登呂陣屋にて、受付
         1時15分~ 神奈川大学大学院・須崎文代先生講義
                           「台所の変遷」         
         3時頃  質疑応答など…「やまだいち」さんの安倍川餅をいただきながら…
                             *香り高いきな粉とこし餡の2種。
                              美味しいです!
         3時半頃までに お開き

              
会     費 : 会員:500円(安倍川餅実費) 会員外:800円 
申 し 込 み:  〆切 7月8日
         静岡民家の会事務局まで  FAX054-367-6558
# by sizu-min | 2011-06-28 14:27 | ・活動内容、予定、お知らせ

2011年6月 静岡民家の会 年次総会
平成22年度総会 報告           平成23年6月12日(日)

 本年の総会も、静岡市登録文化財に指定された葵区の鈴木邸を会場にお借りして行われました。
 佐野会長の挨拶。鈴木家ご当主のお話。平成22年度活動報告。会計報告。平成23年活動予定。質疑応答など。真摯かつ和気藹々の中で滞りなく終了しました。
 昼食はゆったりとした空気の流れるお座敷で地元の地産地消のお弁当。美味しい美和のお茶と共にいただきました。
 午後は、伝統技法について伊郷吉信先生による講演。冒頭にうかがった東北大震災のお話からは、日本に住む私たちが、今見ておかなければならないことや、自然によりそう暮らしへの思いなど、あらためて考えるきっかけになったのではと思います。安田邸の保存、研究、保全活動をされている伊郷先生始めお仲間の姿勢は、私たち静岡民家の会がお手本として学んで行かなくてはならないことがたくさんあります。
 自然の中で人がどのような家をつくり営みを続けてきているのか…を原点に戻って考えることは、3.11以降の課題のひとつであるのでは…。
 静岡民家の会も発会9年目に入ります。
                        ky。

# by sizu-min | 2011-06-18 22:29

5月例会報告
静岡の別荘文化を訪ねる                 2011年5月22日(日)

 気候温暖で、風光明媚、東京からも遠過ぎず、交通の便も割合に早くから整った静岡県内には、昭和の始め頃を中心に、別荘地が多くありました。熱海や、西園寺公望が住んでいた為に駅までできたという蒲原には、民家の会としても何回も訪問したことがありましたが、今回は御殿場を訪ねるバス旅行です。
 東名御殿場 I.C. 近くの東山の地には、昭和の時代、秩父宮さまの別荘がありました。戦争拡大に反対の姿勢を表明していた宮さまは戦後、病を得、この別荘で執筆や陶芸などをなさって静かに暮らされたということです。今は御殿場財産区の一角として公園に整備され、四季の花々の美しい落ち着いた佇まい。参加の会員さんたちは、さまざまな思いでこの地に流れるゆったりとした気分を楽しんでいました。
 その後、2期首相を務めた岸信介氏の晩年の住居を見学。この時代の政治家はこんな家に住むのにふさわしいような貫禄があったのだ!と実感した方も多かったのでは…。
 アメリカ人の別荘も多く、この地の畜産やハム製造はその頃にアメリカ人宣教師に教わったものだということで、伝統を継承する名店にも立ち寄り、一路、三島へ。
 戦後民家をスケッチしてまわった向井潤吉の絵画展が開かれている佐野美術館で、学芸員さんのレクチュアを受け鑑賞しました。戦時中に戦意高揚の絵も描いた向井が、敗戦後その心の傷みを抱えながら各地を旅しこんな絵を残していったこと、その時描かれた民家や風景は果たして今の日本にどれくらい残されているのか…いえ、殆どはもう消え去った、あたかも桃源郷のような里だった…。
 静岡民家の会の活動のコンセプトを再考する良い機会となった5月の例会でした。
                            ky。



# by sizu-min | 2011-06-18 21:43

4月例会報告
 民家→暮らし を考える時、季節に敏感でありたい。自然の移ろいに高い感受性を持ち続けたい。そこで、4月例会も、里山へ訪れた春を感じに行ってきました。
 静岡市葵区杉尾は、市街地より車で40分ほどかかります。もうひとつ尾根を越えると川根町というところで、お天気に恵まれれば遙かな富士山の眺望が素晴らしいところです。連休初日の29日に車を連ねて向かったメンバー、今回は特別参加の親子連れも多く賑やかな山行きになりました。
 到着してまずスタッフより、心構えをお話します。
「今日は山菜の天ぷら付きの手打ちそばを昼食にしますが、いちから自分たちで作りますから。そうです、まずこの古民家の掃除から。無人で冬を越した家は、屋根には周りの木々からの落ち葉が積もり、ずっと使わなかった竈は蜘蛛の巣が張っているかもしれません。すきま風で、部屋の畳も塵や埃で汚れてしまっています。ここで、食事ができるようにまずみんなでお掃除です。掃除機なんかありませんよ!」
 屋根の杉の葉を取るのは大変…ストレッチになりますね。部屋の掃除班は?…2月にはたき作りをして、昔ながらの掃除の仕方を学びましたが、今日は早速実践です。子どもたちが箒(ほうき)を使いたがって取り合いです。ね、面白いよね。きれいになっているかはちょっとはてな?ですが。。。台所班は薪割りして、竈(かまど)に火が熾りました。なかなか見事な手際です!
 さぁ、竹採りの翁(おっと失礼。みなさんお若いんでした)が大きな若竹を担いで帰ってきました。これを鉈(なた)で割って、皿と蕎麦猪口と菜箸と箸を作ります。
 よし!!それでは、全員で野原に食べられる山菜を探しに行きましょう! 籠を持って格好は一人前。。。有名な山菜、タラの芽もみつけました。山菜の女王、○○(度忘れ)もたくさんありますね。ワラビ、ゼンマイ。つい地面ばかり見ていたら、「見上げて!この八重桜きれいでしょう。実はね、これ美味しいんだよ!」「えっ!お花が?」…これなら食費がかからないなぁって言ったのは誰かな。
 さぁ、収穫を手に手に帰ってきたら、三班に分かれます。適宜移動してかまいませんよの班です。山菜を洗って天ぷらを揚げる班、蕎麦班、竹細工班。
 きれいになった(!?)座敷では、蕎麦打ちが始まります。う〜ん。粘土をこねるのとは違うんだけどな…二八蕎麦は無理でも三七蕎麦に挑戦!顔まで粉だらけになっちゃったのはだぁれ?茹でる時は優しくやさしく。
 天ぷらはからっと!揚げたてが美味しいからちょっとつまみ食いしたいなぁ。ゼンマイは藁灰であく抜きしておきましょう。
 お箸を削るのっておもしろいね。普段はこんな小刀使う機会がなくなっちゃったねぇ。

 やった〜!やっと食事ができそうかな。もうみんなお腹ぺこぺこです。
「いただきまぁ〜す」…しばし静寂…もぐもぐ…一斉に「おいしい〜」「桜はほんのり甘〜い」
そうですよね。労働の後の糧、空腹の後というか果ての食。まずいはずがありません。

 季節を感じ、体を動かし、たくさんの里山のフレッシュエアーも味わってみんな自然とにこにこの顔になりました。よかった、よかった。。。

                      (ky。)

# by sizu-min | 2011-06-14 18:12

2011年2月例会報告
2011年 2月例会報告                 2011年2月13日(日)
今年最初の例会「例会初め」は、静岡の安倍川餅の老舗「やまだいち」さんのご好意で活動拠点として借用している「登呂陣屋」にて、開きました。
テーマは「日本の道具を見直してみたい
日本人の日々の暮らしの中で便利に使われ続け、しかし気付けばこの頃あまり見かけなくなった道具があります。例えば、年末の大掃除ではどんな道具が活躍しましたか。煤払いをして、お飾りを飾るという新年を迎えるためのしきたりは廃れてはいませんが、掃除機と電動モップでお掃除なさったかもしれません。昭和までは、箒(ほうき)と、ちりとり、叩き(はたき)。そして、バケツに雑巾がお掃除の道具でした。また、大掃除を済ませ、荒神さまを新しくした台所でおせち料理を作る、その時も黒豆などはことことと七輪(しちりん)の上で煮たものでした。
世の中は便利になるばかりですが、民家の会としては暮らしの記憶も残していきたい―
そんな思いでこの例会を企画しました。
寒い時期で、しかも三連休の最終日という悪条件の中、参加してくださった会員さん、ありがとうございました。

まず、七輪に火を熾しましょう
…実にこれが難しかったです。登呂陣屋の前庭の粗朶を拾って種火を熾すという計画でしたが、落ち葉はあれど昨日までの雨で湿っています。
消し炭を一つ持ってくればよかった~と、囲炉裏のあるスタッフ・Sが言っても後の祭り。新聞紙をちぎって、炭も細かく砕いて、山育ちの(?)Mさんが、火吹き竹を作り七輪の下の窓から吹くやら、お鍋の蓋で扇ぐやら(渋団扇を忘れたので。。。)大奮闘してくださっています。B型のスタッフ・Mは、お汁粉のお店を探しに行こうかと言い出します。煮上げたお汁粉に炭火で焼いたお餅!というのが午後のお楽しみですから、ここで火が熾きないのでは泣いてしまいます。みんな真剣な顔、火吹き竹を吹くMさんの口がすぼめ過ぎで痛くなった頃、やっと火が安定しました。お疲れさまでした~。みな口々に「あ!30分かかりました~」「よかった!よかった!」「これで、いざという時にガスや電気が止まっても大丈夫!」…ほんとかな~○△∵?…やっと小豆とお水の入った大鍋を七輪の上に乗せました。順調に午後までに煮上がるのでしょうか。。。。。。こっそりガスボンベのコンロを用意していたスタッフFは、AB型です。

煤払い(ハタキ)作り
直径1センチくらいの竹をスタッフのNがたくさん用意しました。用途と自分の体力も考え(大袈裟?)竹を慎重に選びます。キリで穴を開けます。室内では、古い銘仙の着物をほぐしています。針目を見ながら昔の人は運針が上手だったんですね~と言ったり、こんな不思議な色合わせが日本の伝統だったんだぁと思いながら…。形あるものを壊して使うのはちょっと忍びなかったのですが、もう生地のしょう(精)も抜けて着用は出来ない着物だからと自分の気持ちを納得させ、みんなでハタキにして大事に使いますからね~と、糸を解いていきました。そして、布に戻った着物を各自好きな取り合わせで選び、割いていきます。竹に糸で取り付けます。(詳しい作り方は例会参加者の方の特典なので明かしません。あしからず…)出来上がったハタキ、みな色も大きさもとりどりで素晴らしい!!
そして、どうやって使うの?についても、某作家の随筆作品をスタッフKが朗読し、古き佳き日本の家事に思いを馳せた後、実際に陣屋の障子にハタキをかけました。ほうきで畳を掃き、上がり框には蜜蝋(みつろう)を塗って雑巾掛けをして、日頃お世話になる陣屋にお礼のお掃除をしました。

もちの家で昼食にたぬき蕎麦をいただいてお腹いっぱいだった筈ですが、お汁粉は別腹!?美味しかったですよ~。苦労して熾した炭火で作った味わいもあるような気もしました。
食後は、今企画を進めている「民家大賞」についての話し合い。どんな形で、私たちの気持ちを伝えていくのか…一番良いやり方を探していきたいと思っています。
まず始めは、民家の会会員さんが身近で推薦したい民家について、情報を出し合っていこうということになりました。みなさん、どうぞよろしくお願いいたします。
詳しくは、次のお知らせで。。。みんなで盛り上げていきたいですね。

寒い日が続く中でのほのぼのとした一日…そんな2月の例会でした。
                                    (Ky。)

追伸(?) Aさんのお孫さ~ん、そして、Tちゃ~ん、もうハタキは見つけましたか~?良い遊び道具作ってもらってよかったですね~。ハタキっていろんなことができますものね~(笑)。Kも懐かしいで~す。
# by sizu-min | 2011-02-13 20:34 | ・例会報告

9月例会のご案内
9月例会 「駿府城の石垣復元を見る」

やっと、日本列島の上空に低気圧も訪れてくれるようになり、待望の秋が来るようですね。今年の夏は記録的な猛暑でしたから、人だけでなく、草木もほっとしているのではと思います。
8月例会の流しソーメンは、おかげさまで大成功!水の流れる音を聞きながら、美味しく楽しくいただきました。子どもたちが熱心に手伝ってくれたことも良い夏の思い出になりました。

さて、9月の例会は、恒例の「伝統技術の職人に話を伺う会」です。昨年8月の地震で崩れてしまった駿府城の石垣は、江戸時代に徳川家康が築城した時に当時最高の石積み技術で築かれたものですが、今回の地震で3箇所が崩れ落ちました。復興にあたっては、何回も新聞等に掲載されたのでご存知の方も多いでしょう。工事は昨年から着手されましたが、管轄が農地水路課の場所と公園課の場所があり、又、石垣が積まれた年代によって工法が違うため、調査や検証、材料や施工方法の検討に時間がかかりました。今回は9月から石積みの工事が始まった現場を見学します。
 まず、施工者の第一建設と、日日石材の工事担当者の方に、現場を案内していただき、その後、
伝統の石積み技術についての講義をお願いいたしました。歴史に興味のある方にとっても面白い例会になることと思います。ふるってご参加ください。お待ちしています。


日 程: 平成22年9月25日(土)  
10時 静岡市立中央体育館近くに集合。(詳細はお問い合わせください)
10時~10時30分 現場見学
10時45分~11時45分 講義
 (駿府公園内にて)
ご注意:車は、市民文化会館地下駐車場(高さ制限あり)
ほか、近隣駐車場に停め、徒歩で集合してくだ
さい。
     
申込〆切:9/20(月) (安全対策・資料等の準備があります。)

メール
minka@matsunaga-sekkei.com
またはFAX
054-367-6558
でお申し込みください。
またはお電話でお申し込みください。
054-367-5666

事務局 担当:古屋
# by sizu-min | 2010-09-17 20:38

8月例会のご案内
私の納涼法:暑い夏だからこそ!思いきり遊ぼう!
蝉時雨の中、真っ黒に日焼けして遊びまわった子どもの頃を思い出して、たまには童心に帰ってみませんか。格別の暑さの今年の夏だからこそ、みんなでわいわい、流しソーメンをして、水合戦をして、その後のんびりお昼寝もして…一服の涼をとりましょう。会場は、沢もあり、緑濃く、爽やかな風が涼しさを運んでくれます。
もちろん、準備から楽しむのが、「民家の会例会」のモットーです。このあたりも御他聞に漏れず、放置竹林が茂っています。この問題が各地でズームアップされている今、竹を利用する技術を身に付けて是非広めていただきたい…と、竹でソーメンの樋を作り、猪口、箸、そして水鉄砲を作ります。みなさんのご参加をお待ちしています。お子さん、お孫さん、近所の子どもさん(!?)の参加も大歓迎です。
*流しソーメン・バーベキュー・ビール(ノンアルコールもあります!)の食材と花火を用意します。

日     程 : 平成22年8月8日(日) 午前10時 現地集合
           午後2時頃まで(雨天中止・その場合の連絡は朝8時頃にします)
        
場     所: 静岡市駿河区有度山北麓・にぎわい広場(地図参照):県立美術館の裏手にあたります
会     費 : 会員 500円 会員外 1000円 子ども(13歳以下) 50円
        絶対、会費以上に美味しく!楽しいです!

持ち物 など :蚊取り線香や、虫よけスプレー、かゆみ止めの薬など。水に濡れても良い格好で。着替えも必要かもしれませんね。
# by sizu-min | 2010-08-06 16:22

7月例会報告
7月例会報告                      2010年7月11日(土)12日(日)
 梅雨のこんな時期はなおさら、雨の合間の太陽と吹く風が気持ち良いんだ!ということを実感します。7月例会「持ち寄り展」は、会員さんそれぞれがそんな思いを持たれたのでは…という二日間でした。
 会場を快く貸してくださった大村さんが、前日金曜の15時過ぎに搬入しますというスタッフを待っていてくださったのですが、時折豪雨とも言えるほどの雨で、お預かりてあった品が濡れたりしないように養生も念入りに、車への積み込みも予想以上に長時間かかり、雨天渋滞もあり遅刻してしまいました。やっとの思いで到着すると、超多忙の会員Mさんが、出品の品をお持ちになり待っていてくださったので恐縮。またその品が博物館収蔵クラスのものでびっくり!キリシタン禁制のお達しが書かれた高札!!さすが、Mさんのコレクションです。おふたりをお待たせして、誠にすみませんでした。それにしても、搬入日にこんな雨は辛いですね。
 しかし、荷を解き、会場「木の蔵」に展示を始めると、楽しいったらありません。この棚は蔵の2階に運びましょう、この品はこの隅にさりげなく置きましょう、この品の下にはこの古布を敷いたら…と、次々に夢が膨らみます。…と言ったらおかしいかな!? 縁あってこの場所に集ってきた品々を最高に生かして展示したい、ものの魅力を見る人に見ていただきたいと思うのです。
 木の蔵は、重厚な木の床の部屋と、石敷きの部屋、また貴重なステンドグラスがはめ込まれた窓や、昔ながらの木の窓などがあり、大村さんの貴重なコレクションが各部屋の雰囲気に調和して置かれています。大村さんのたおやかな感性でこの蔵に集まってきたものたちです。その中に会員さんから持ち寄っていただいた様々の品を展示していきます。会報「HOZO」にもお書きいただいている通り、骨董に大変造詣が深い 民家の会役員の岩崎芳生さんもいらして、ご自分の品々を並べてくださいました。お値段がつけられないような!ではないんでしょうか。スタッフは、破損などの事故が起こらないようにと祈るばかりです。―が、明日からの会が楽しみです。

 7月10日、前日と一転して梅雨の晴れ間の暑過ぎるくらいの日になりました。
 会員Nさんが、昭和初期まで使われていた農具を借りてきてくださいました。木製扇風機(!?)のようですが、実は、モミ殻を風で吹き飛ばす選別機だそう。こんな工夫が当時は最新式だったんでしょうね。蔵の軒下に置き、その隣にスタッフの中川さんが今でも背負って歩いているという背負い籠や、ニワトリ篭を並べました。数十年前まで農家の納屋の内外はこんな風景だったのでしょうか…。また、Nさんは真空管ラジオも。裏の板を外すと透明ガラスの真空管が見えてきれいでした。「君の名は…」とか野球中継とか聴いていたのかなぁ…貴重なお品を快くお貸しくださってありがとうございました。どうぞこれからも大切にお持ちください。
 蔵の入り口の壁には、スタッフの佐藤さんのコレクションから、昭和の美人画ポスターを2枚貼りました。ミツワ石鹸かと思ったらミツシ石鹸!?  また、明日の喫茶コーナーに使う部屋の壁には、スタッフの古屋と五味が撮りためた写真を飾ることにしました。民家の会例会で訪ねたところが主ですが、古屋も五味も普通の報告写真は苦手!の変な奴らですから写真も一筋縄ではいきませんよ!なぁんて…乞うご期待。

 7月11日、またまた一転して梅雨空。集まってくださる会員さんたちのお足元が心配です。どしゃ降りになりませんように…。
 朝一番にスタッフの松永さんが、どっしりと重いケヤキの自在鍵を持ってきました。どんな大きな古民家に吊るされていたものでしょうか。同じくスタッフの杉村さんは、ヨーハ小屋の写真集を。スタッフ古屋と五味の写真は、灯りと題したその①、②、③に始まり、旅館の廊下沿いに並ぶ火鉢、軒先の吊るし柿(…は普通ですが)、軒先に吊るされた元・紅かっただろう布切れ、不可思議なオブジェのような蚊取り線香、煤けたモルタルの壁、廃屋の猫…。会員のみなさん、いつも例会で集合写真など撮ろう!と思ってはいるのですが、すみません。こんな写真が多くって…。(と古屋は言っています―と思います)。壁には古屋が結婚祝いにもらった木製・ぜんまい式振り子の壁掛け時計も。たぶん昭和初期作の四角い時計はマットな朱色に塗られ、独特の音で時を刻んでいます。

 雨は時折激しく降りますが、嬉しいですね、遠方の会員さんもいらしてくださいました。蔵の2階に展示した2組のお内裏さま、お雛さま。片方は昭和20年生まれの会員Sさんの初節句に祖父母さまから贈られたというもの。終戦直後とは思えない立派なものですが、当時の藤枝の在は戦災を免れ、このような「志太人形」が栄えていたとのことです。もう片方の可愛らしいお顔のお雛様は同じく藤枝の会員Aさんのもの。昭和23,4年にお祝いに贈られた御殿飾りの内のお内裏さまです。この頃から御殿飾りが作られ始めたとのことです。どちらも女の子が生まれた喜びの気持ちで贈られたもの、そんなご先祖の気持ちが伝わったかのように、季節外れの飾りつけですが、会場の雰囲気を華やかに温かくしてくれました。
 浜松から3人さまで駆けつけてくださった会員のSさんは、素敵な飴色になった籐編みの箱に、戦前1930年頃から1952年頃までに作られたティントーイを並べてくれました。四角い顔のロボット!目と口の形、彩色が懐かしい感じです。いいなぁ…手で揺すって小さな玉を指定の位置に入れるゲームも。こんな精巧な丁寧にデザインされたものがあったんですね~。保存状態にも感心してしまいます。これを置いた石敷きの部屋には大村さんのコレクションの内、昔の暮らしには普通にあったのに今は失われてしまい、とても懐かしいものがたくさん並べられています。なんとタバコやさんの店先からそのまま移したという下部はタイル張りのガラスのカウンターもあります。きれいな花柄のティーカップ、裁縫の手本にしたという小さな洋服、手作りのコサージュ、髪飾り、淡い色のカレンダーの画…ロマンチックな少女の頃に時をさかのぼってしまうようです。

 さぁ、佐野会長が持ってきてくださった品々を拡げはじめました。「はい、このやかんを吊るして中に花を活けて」。三段に切り込みがある竹にもさりげない花を挿します。お気に入りの籠は脚付きですがこれにも小さな花を挿した酒器を載せます。佐野会長が花がお好きな事を知りました。その他、お札入れや漆壷などどれも佐野会長の手元にきた謂われと思いを語ってくださいました。
 続いて岩崎芳生さんも、出品してくださった品々についてお話くださいましたが、何と言っても一番最初に見せてくださったのが、「アンダーソン土器」ですからびっくり!でしょう。中国4000年の歴史の殷・周の時代のものですよ! 民家の会の会員さんは骨董が好きな方も多いですから…詳しくはまた岩崎さんに「HOZO」に書いていただくことにいたしましょう。
 みなさんの熱気で喉が渇いたところに、会員Hさんにお願いした喫茶タイムの始まりです。まだ小さなお子さんの子育て中のHさんですが、手作りの和風ロールケーキと季節の梅ジャム入りクッキーを用意してくださいました。とっても美味しかった~!! どうもありがとうございました。
 来場してくださったみなさんは延べ48人!お茶の時間や展示を見ながらのお話も弾み、とても楽しい会になりました。また、ご出品してくださった方々、お手数もおかけしましたが誠にありがとうございました。今回ご出品でなかった方々、是非次回はお願いいたします。
 そして何より!素敵な会場をお貸しくださいました大村さまに心から感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

                                                   〈ky。〉



        
# by sizu-min | 2010-07-14 10:19 | ・例会報告
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古民家を愛し古民家のある暮らしを大切にしていく、  静岡民家の会

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